Seoul 19′ クラフトビール編
2016年、Nishitokyo CRAFT BASEを開く前に訪れたアメリカ・ポートランドでクラフトビールのおもしろさにハマってから年に1回海外へ旅行する際は、その国のクラフトビールを楽しむことをテーマの1つにしています。そして旅行先を決める際は、「この国のクラフトビールが面白そう!」を基準にしています。といってもそんなに真面目なものではなく、あくまでもプライベートの旅なので言ってみればただの飲んだくれです。笑 そしてクラフトビールに関する知識は収集中なのでまだそんなに詳しいことはわかりませんが。。。
韓国クラフトビールのはじまり
7年前に韓国を訪れたときは韓国ビールといえばCASSなどの大手メーカーがつくるラガービールが一般的で、これがとっても味が薄い。日本人からすると「軽っ!」と驚くぐらい。韓国ではショットグラスをビールに落として飲むようような、濃いお酒を割るソーダぐらいの感覚で、実際韓国の人も好きなビールといえばアサヒのスーパードライやギネスのような外国のビールという感じで韓国の人にとってビールはお酒の中でも印象がないイメージでした。なので今回友人が韓国のクラフトビール面白そう!と情報を嗅ぎつけてくれた時には「まさか!」と驚きました。
ここで更にもう一つ、韓国でのクラフトビールの火付け役である「The Booth」というお店があるのですが、このお店を立ち上げた理由が北朝鮮のフルーティでコクのあるビールに負けないビールをつくることだったという記事を見て驚き。世界的に小規模の醸造所でつくるオリジナルビールがブームだったからと思っていたら必ずしもそうでなかったんですね。
2013年5月に創業した韓国のクラフトビールメーカー「the booth」が注目されたおかげで韓国内でも続々とマイクロブリュワリーが増えているようです。韓国クラフトビールの火付け役「the booth」は今では国内に6店舗も構える韓国を代表するブリュワーに。現在では北欧を代表するデンマークのビールメーカー「Mikkeller」と共同に開発したビールをアメリカ・サンフランシスコの工場で生産しています。
清渓川にあるこのお店は地下にあるのですが内装も遊び心があってポップな秘密基地みたいで面白い空間でした。ビールだけじゃなくてこういったお店作りからコンセプトがあって流石という感じ。
ビールはIPA系の柑橘の香り豊かで少し苦みのあるビールが多かったですが、私が飲んだIPAも友人が飲んだビールも美味しかったです。因みにこのほか2種類のビールをお土産で持ち帰ったのですが、それも美味しかったです。
クラフトビールからみるソウル
その後移動して韓屋をリノベしたお店がひしめく益善洞(イクソンドン)のエリアへ。
迷路のような裏路地に建ち並ぶ韓屋をリノベしたお店がたくさんあるエリアでお洒落なカフェ、洋服屋、食堂がたくさんあります。週末になると地元の若い人たち~観光客で賑わう比較的新しいスポット。
「ART MONSTER」は国際的なコンクールにも数多くのビールが賞をもらっています。ビールのバリエーションも種類も豊富で中庭のあるお店の雰囲気も気取らず居心地がいいです。珍しく1ℓのメニューもありました。
多分どのお店にもあるだろう定番メニューの韓国フライドチキンと一緒に。
「Seoul Gypsy」はエリアの端にあって人通りが多くないせいか地元の人や、ビール好きの人が集まる開放的なお店。
こちらは韓国語のメニューしかなかったのですがお兄さんが英語で解説してくれたので、おススメを頂きました。どこもペールエールやIPAが多い中、こちらはサワー系でさわやか。
土曜日の昼過ぎにビール好きが集まってリラックスしながら会話を楽しむ空間がここにあって個人的にお気に入りスポットに。
「Magpie Brewery」は韓国内でも有名なマイクロブリュワリーで国内のレストランやバーに卸しています。今回は梨泰院にあるお店へ。この辺は米軍基地が近くにあって、欧米外国人の繁華街として有名なエリアなため英語が流暢な店員さんも多いです。小さな店内でカウンターやハイスツールに腰かけて楽しむスタイル。15:00のオープンからお客さんが続々と来ます。常時6種類ぐらいのクラフトビールがあってペールエール、IPA~ケルッシュまでいろんな種類が楽しめるうえに、なんと小さいサイズのビールもあります。連日のビールのお陰でパイントサイズのビールは飲み切れないので小さいサイズとお持ち帰りのビールを。
最後は個人的にとても楽しみにしていた「Seoul Brewery」へ。こちらご夫婦で創業されていてご主人が欧米の方で、奥さんが韓国人とのこと。日本でもこのパターンはありますね。夜に行ったのでわかりづらいですが、こちらも韓屋をリノベして作られています。こぢんまりとした店内に醸造しているタンク等もあってマイクロブリュワリーならではという感じ。
韓国のお店ではサービスのおつまみはほぼ出てこなかったんですが、こちらはビール頼むとピーナッツ・煮干のスナックにコチュジャンが付いたおつまみが出てきてそこがまた良かったです。
もちろんビールは美味しいのですが、その場にいたスタッフさんやお客さんたちもすごく親切でやっぱりビール好きに悪い人はいないな、と。外国であってもそれは変わらないルールのようなものじゃないかなと感じた今回のビール旅。
このポスターは旅の途中、たぶんSeoul gypsyで見つけたと思いますが、まさしくこの通りだと。
「GOOD PEOPLE DRINK GOOD BEER」
今回ご紹介できなかったお店のビールも含めて総じてどのクラフトビールも美味しくて、そしてお店それぞれのアートワークを見るのも楽しかったです。お店はそれぞれの個性がありながらも、どこも気取らず力を抜いてリラックスしながらビールを楽しめる空間になっていてとても居心地良かったです。きっとまた次訪れる際は更にいろんなクラフトビール屋さんが出現しているのではないかと思います。ご旅行の際は現地の人たちの手づくりのビールでその土地のその空間を楽しんでみるのはいかがですか?