勝手にCOFFEE CARAVAN Cup.3 「Life Size Cribe」
今回の勝手にコーヒーキャラバンは国分寺の駅から歩いて徒歩5分もかからない、絶賛駅前開発中エリアのそばにあります「Life Size Cribe」さんへお邪魔してきました!
沢山の個人店が立ち並ぶエリアの通りを一本曲がり静けさと活気の間にある場所に人と自転車が集まるお店です。同じ西東京エリアのお店ということもあり、興味津々でお邪魔してきました!インタビューはお店の代表である吉田一毅さんにお伺いしましたよ!
エスプレッソとの出会い
ブレンドお豆を使用したエスプレッソメニュー「アメリカ―ノ」
Life Size Cribeではエスプレッソを中心としたメニューが並んでいます。吉田さんの経歴に出てくるポールバセットで働く前は、日本のチェーンのコーヒーショップで店長を務めマネジメントをされていました。カフェが好きでいつか自分の店を持ちたいと考えていたころにイタリアンエスプレッソのお店に出会い、加速的にハマっていったそう。もともと車やバイクが好きで、同じメカニックのカッコよさを感じるエスプレッソマシンに興味を持ち始めます。マシンを鮮やかに操るバリスタの姿に感動したこともあり、その後「バリスタ」と「エスプレッソ」をキーワードに様々なお店に足を踏み入れコーヒーを探求。その中でたどり着いたポールバセットで今までの苦みの効いたイタリアンエスプレッソではなく、スペシャリティーコーヒーを使用したエスプレッソの味と風味の豊かさに衝撃を受け、これを機にポールバセットで働くことを決意。その後独立して27歳の時に、エスプレッソを中心としたスペシャリティーコーヒーを扱うお店「Life Size Cribe」を2015年にオープンするに至ります。
焙煎士であり、バリスタであり、サービスであること
このお店は吉田さん一人で営業しています。焙煎をし、バリスタとしてコーヒーをサーブする。とても印象的だったのは、自分の役割をどこかに集中させるのではなく焙煎、バリスタ、サービスをまんべんなくこなしていることでした。本人自身は豆屋と自負し、自分で焙煎した豆をバリスタとしてお客さんに提供するだけでなく、来店してくれた人の趣向や好みをコミュニケーションで引き出したうえで、コーヒーの楽しみ方を同じ目線で伝える。それはつまり、そのすべてに責任をもって対応するということ、そしてどれも欠けてはいけない要素だと。「焙煎は料理と同じ」と彼が言うように焙煎へのリスペクトは去ることながら、コーヒーの楽しみを伝えて、一緒に共有するスタイルはまさしくお店でのすべての役割をフラットにこなしているからこそ。その中でも「サービス」に主体を置いているという一言がとても印象的でした。実際にお店ではバリスタ・焙煎士とお客様という垣根を超えて、コーヒーを片手にその場で会話を楽しむ人の姿があって、対話を重視する彼の人柄と熱意でつくられた環境があるからこそだと再認識させられました。
焙煎の香ばしい香りが漂う店内
気さくに話してくれる代表の吉田一毅さん
好きな仕事を好きな場所でする
お店がある国分寺は大学時代の思い出の場所。でも、お店を開く場所に選んだ理由はそれだけではなかったようです。ポールバセットでは渋谷店で働いていたが、流行りのまちでコーヒーカルチャーを作ることへの違和感を覚え、住んでいるところで追及していきたいと考えるようになったそう。そこで選んだのは仲間との思い出の地であり、西東京のベッドタウンでした。「そこで生活する人たちのくらしをコーヒーカルチャーで盛り上げたい。」と吉田さん。自分のスタイルを主張するより、人と共に作り上げていくことが好きなことから、ビジネスとしてコーヒーショップを経営するだけではなく、自分が楽しいと思うものを一緒に共有していくことで、国分寺というまちのパズルのワンピースでありたいという方針が西東京という下町の心意気を代弁しているようで、激しく同感しました。それはきっと西東京というエリアの人が持つ人間味がそうさせるのだろうと。
「コミュニティ」というタイトルをつけるのは本意ではありませんが、平日の夜7時過ぎにコーヒーを飲みに訪れ、我が家のようにリラックスしながらお客さん同士が話している姿を見ると、「お店」の意義がまざまざと見せつけられるようでした。まさしく地域にとって必要とされる空間を体現していて、これがコーヒーカルチャーの持つもう一つの側面なのだと。
お客さんと会話しながらお豆と飲み方を提案します
ブレンドという楽しみ方
都内ではいろんな規模・コンセプトのコーヒーショップが続々とオープンし、コーヒーに関するイベントも賑わいを見せ、ちょっとしたコーヒームーブメントが起きています。「シングルオリジン」と呼ばれる地域・農園を指定したお豆をそろえるお店が多い中、Life Size Cribeのお勧めはブレンドだという。この日頂いたアメリカ―ノもブラジルとエチオピアのナチュラル製法のお豆のブレンドを使用しており、香り豊かで味わい深い面白さを持ち合わせ、そこからまた会話が広がる。そんなコミュニケーションの好循環が居心地をさらに良くしてくれます。ブレンドは全体のバランスを取り平均点を出すのではなく、掛け算のようにいくらでも豆の良さや楽しみを引き出してくれるという考え方がとても新鮮で共感しました。
今回NCBで提供するお豆も、そのブレンド「Lady Brown」とお店おすすめのペルーのシングルオリジンのお豆をご用意しました。どちらもスペシャリティーコーヒー豆本来の美味しさと面白さを実感できると思います。
インタビューの最後に何気なく発した「ただのバリスタではなくてマスターでありたい」と漏らした一言。「マスター」が何を厳密に指すかはここで明言を避けますが、インタビューをしてみて彼のお店やコーヒーに対する想いとお店でコーヒーや会話を楽しむ人の様子が同じ空間の中に馴染んで存在しているのを見る限り、すでにマスターである気がしました。
Life Size Cribe
東京都国分寺市本町3-5-5
平日(月・火・木)9:00~21:00
平日(金) 9:00~23:00
土日・祝日 11:00~21:00
定休日 水曜日